大内政弘は、応仁・文明の乱で西軍の主力として活躍した武将として知られていますが、その一方で、歌道に励むなど教養を高めました。
写真の資料は、政弘が、三種の題で二首ずつ詠んだ和歌を、指導を仰いだ公卿の三条公淳(きんあつ)に批評してもらったものです。
政弘が自筆で記した同じ題の和歌二首に、公敦が小文字で批評を加え、優れた方に合点を付けています。これらは政弘の家集「拾塵(しゅうじん)和歌集」に採録されています。また、連歌師・宗祇(そうぎ)の「新撰菟玖波集(しんせんつくばしゅう)」の成立にも大きく貢献しました。
山口博物館では、この資料をはじめとした大内氏歴代文書を収録した手鑑「多々良の麻佐古」の企画展を開催中です(令和6年2月4日まで)。1月5日から後期展示がはじまり、大内義隆自筆書状が登場します。詳しくは、山口博物館ウェブサイトをご覧ください。
山口県立山口博物館 主任 山田 稔