山口市の伝統工芸品大内塗・大内人形の継承と振興に功績があったとして、令和5年度の伝統的工芸品産業功労者等表彰で、中国経済産業局長表彰(組合員役員等功労賞)を受けた。「職人で店主である父の傍にいて私は縁の下の力持ちといった存在。長年やってきたから頂けたと思う」と話す。
湿気を与えることで硬化する漆は季節ごとの湿度管理が重要。「湿度によっては焼けて白っぽくなったり縮んだりする。乾かし方一つとっても経験しながら覚えていく」という。
山口市では大内塗の継承と産業振興のため、2023年6月に市独自の「地域おこし協力隊」を創設し、2人が着任した。月に2回、技術習得に訪れる隊員に丁寧に教え、後進の育成にも尽力している。
「伝統工芸の良いところを見直し、大内塗の製品を日々の生活の中にもっと取り入れて」と呼びかける。
【プロフィル】1947年4月、山口市道場門で桑原大内塗大内人形製作所を営む家に生まれる。白石小・中、旧山陽高等電波学校卒。10代後半から父・貞雄さんのもとで腕を磨き、大内塗職人歴約60年。趣味はスポーツ観戦で、レノファ山口を応援している。