映画「君は行く先を知らない」(2021年、イラン)が、4月27日(土)に山口市民会館小ホール(山口市中央2)で上映される。時間は午前10時半、午後2時、7時からの3回。国内では昨年8月に公開された映画で、「山口でなかなか上映される機会のない良質な単館系新作映画を、自分たちの手で上映・観賞する」ことを目的に活動している西京シネクラブ(大久保雅子代表)が主催する。
荒涼としたイランの大地を走る1台の車。後部座席では足にギプスをつけた父が悪態をつきながら、旅に大はしゃぎする幼い次男の相手をしている。助手席の母はカーステレオから流れる古い歌謡曲に体を揺らし、運転席では成人した長男が無言で前を見据えている。次男が隠し持ってきた携帯電話を道端に置き去ったり、尾行におびえたり、転倒した自転車レースの選手を乗せたり、余命わずかなペットの犬の世話をしたりしながら、一家はやがてトルコ国境近くの高原に到着。そこで父と母は羊飼いや仮面をつけた男と交渉し、長男は「旅人」として村人に迎えられる。旅の目的を知らない次男が無邪気に騒ぐ中、われわれはこの家族の行方を知ることになる―。
「白い風船」(1995年)、「チャドルと生きる」(2000年)、「人生タクシー」(2015年)他でカンヌ、ヴェネチア、ベルリンの三大映画祭を制覇した世界的巨匠で、長年にわたるイラン政府との自由をめぐる闘争でも知られるジャファル・パナヒ。本作は、その制作現場などで経験を積んだ長男のパナー・パナヒによる長編デビュー作だ。2021年の第74回カンヌ国際映画祭監督週間など、世界96もの映画祭に出品された。
チケットは、当日会場で販売。料金は、一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。電話予約(TEL083-928-2688)すれば、一般料金のみ1500円に割り引きされる。
同会の大久保代表は「見ているわれわれにも旅の行く先はわからないまま、家族4人と1匹の犬と一緒に、車で旅をするロードムービー。想像を超えるイランの風景と、登場人物の心情を代弁する音楽も楽しんでほしい。また、中東情勢が緊迫している中、イランという国を知るためにも鑑賞をすすめたい」と話している。
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