山口被害者支援センターが主催する公開講座「当たり前の日々は奇跡の連続」が、5月12日(日)午後1時半から3時まで開かれる。講師を務めるのは、交通死亡事故遺族の池田かおりさん。
北九州市在住の池田さんは、2016年12月9日に、四女の陽菜(ひな)さんを交通事故で失った。7歳の誕生日を目前に控えた小学1年生の陽菜さんは、自宅近くの市道交差点で自転車に乗っていた時に乗用車にはねられた。
池田さんは悲しみに暮れる中、陽菜さんが遺した「わたしはゆうえんちがすき みんなのえがおがみれるから」という文章を見て、「みんなの笑顔が好き」という思いを家族の指針にしようと決めた。さらに、陽菜さんとの約7年間の思い出とその後の家族の思いなどを、絵本「そらがわらったよ」にまとめ出版した。
講演では、絵本をスクリーンに映しながら朗読。愛娘を突然に失った経験から得られた多くの気づきや、「『当たり前の日々は奇跡の連続』だからこそ、毎日を大切に、周りの人も一緒に笑顔になれるように過ごす」ことの大切さを伝えてくれる。
会場はKDDI維新ホール(山口市小郡令和1)で、定員は当日先着120人。さらに、テレビ会議システム「Zoom」を使ってのオンライン聴講(100人)も選択できる。後者は5月6日(月・振休)までの事前申し込みが必要だ。
犯罪や交通事故の被害者やその家族は、幸せで平穏な日々からある日突然、日常生活や将来の夢などを奪われることになる。犯罪そのものによる直接的な被害に加え、精神的被害や経済的負担など、さまざまな困難に直面することにも。この講演会は、被害者らの置かれている状況や、平穏な暮らしへの配慮の重要性などを、一人一人に深く理解してもらうことを目的に開催される。
5月から7月にかけて、被害者支援員養成講座
山口被害者支援センターは、被害者支援に関心ある人たちが、専門的ボランティア「被害者支援員」になれる養成講座(受講無料)も、5月から7月にかけて開催する。①入門講座(全3回)と②初級講座(全7回)があり、今回の公開講座は①の第1回も兼ねている。被害者支援員になるには、①②のうち8回以上の出席が求められる。講師は、警察・検察・裁判関係者、被害者遺族、弁護士、大学教員、同センタースタッフらが務める。開催日時は主に水曜日の午後。申し込み締め切りは、公開講座当日の12日だ。
◇ ◇ ◇ ◇
すべて、申し込み・問い合わせは同センター(TEL083-976-5152)」へ。ウェブサイト(https://vs-yamaguchi.net/)からの申し込みも可能だ。