当館では、これまで、数多くの仏教美術展を開催してまいりました。
記憶に新しいところでは「奈良西大寺展」(2017)。ほかにも、「興福寺国宝展」(2005)、「平等院国宝展」(2000)など、いずれも鎌倉時代や平安時代の国宝、重要文化財を紹介し好評を博しました。
そして今回、渾身の力を込めて開催いたしましたのが、「奈良大和路のみほとけ展」。日本美術の源流ともいうべき飛鳥、白鳳、奈良時代の仏像を一堂に展示しています。
1300年前の仏像を紹介できるのは今回が初めて。いずれの展覧会にもかかわってきた私ですが、今回が一番興奮しています。
というわけで、小欄で何を紹介しようか迷いに迷った挙句選びきれず、結局、奈良の大仏さまの頭部のグリグリ(螺髪(らほつ))になってしまいました。
悟りを開いた仏は、青色の体毛を上方にむかってクルクルと右回りに生やしているそうです。
つまり、あのグリグリはカールした髪の毛の塊。全429粒と推定されています。
(展覧会は6月9日まで)
山口県立美術館 河野 通孝