ありが歩いていると、突然の雨。少し先に小さなきのこが顔を出しているのを見つけ、その下で雨やどりすることにしました。
雨は次第に激しくなり、ちょうちょう、ねずみ、すずめが「入れておくれ」とやってきました。
みんなで一緒にきのこの下におさまろうと工夫しあっている様子は、コマわりの絵で描かれていて、何ともユーモラス。動物たちのにぎやかなおしゃべりが聞こえてきそうです。
そのうちに、きつねに追われたうさぎが助けを求めてやってきました。きつねは、においがするぞ、とあやしみながらもうさぎを見つけることができず、結局あきらめて行ってしまいました。
しばらくして雨はやみ、みんなはきのこの下から出てきました。でも、どうしてあんな狭いところにみんなで入れたんだろう? ありは不思議でなりません。
それを見て笑ったのは、雨の日のことならよく知っているあおがえる。
「あめのひの きのこに、なにが おこるか? おまえたちは しらんのかね」―そう、雨の日、きのこは大きく大きくなるのです!
偕成社
再話:ミラ・ギンズバーグ
訳:くりやがわ けいこ
絵:アルエーゴとデューイ
ぶどうの木代表 中村 佳恵