今年1月に米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の「2024年に行くべき52カ所」に山口市が選ばれた際、「小規模ながら600年の歴史がある」と紹介された山口の夏を告げる風物詩、山口祇園祭。7月の開催に向けた打ち合わせ会が、6月13日に山口市の大殿地域交流センターであり、関係者約50人が出席した。
同祭は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため2020年から2022年までの3年間は神事のみで実施。昨年4年ぶりに"完全開催"され、今年も同様となる。
毎年7月20日から27日までの1週間開催される山口祇園祭は、八坂神社(山口市上竪小路)の祭礼。会の冒頭、同神社の小方礼次宮司が「昨年は久しぶりに3基とも御神輿(おみこし)が担がれ、山口の街に活気が戻った。今年はNYTの件もあって例年以上に注目もされているが、われわれとしては、いつも通りに粛々と取り組んでいこうと考えている。今年も立派なお祭りにしていけたら」とあいさつ。次に同祭振興会の宗像常明会長が「われわれが今まで一生懸命守ってきた伝統あるお祭りが、NYTによって関心を持たれている。とはいえ、一次的なブームや商業的なニーズなどに振り回されることなく、この伝統行事を着実に伝承していくことが任務だと思っている。神事である御神輿巡行を存続させていくためにも、各地域・地区のより一層の支援をお願いしたい」と述べた。
続いて、祭典日時・奉納神賑(かみにぎわい)行事(浦安の舞奉納、御神幸行列奉仕)、関連行事の「鷺(さぎ)替行事」「鷺の舞奉納」「祇園囃子(ばやし)」「市民総踊り」、御神幸・御還幸御神輿奉仕などの確認がされた。
これまで、大殿小と白石小の5年生女子児童4人が毎年持ち回りで担当してきた「浦安の舞」の舞姫は、今年は両校に限定せず募集。その結果、白石地域の3人(附属山口小2人、白石小1人)と、防府市在住の1人に決まり、現在練習を重ねていると報告された。
また、20日(土)の御神幸神輿の主な担ぎ手は、8角が大殿地域、6角が白石地域、4角が宮野地域。27日(土)の御還幸神輿は、同様に8角が大殿地域、6角が白石地域、4角が女性たち(女神輿)だ。
さらに、山口警察署からは飲酒の自粛や安全確保へのお願いがあり、JTB山口支店からは山口市が計画している「体験ツアー」等が説明された。後者は、19日(金)から21日(日)の日程で参加者を募集。20日の御神幸は、八坂神社での神事や、早間田交差点近くに置かれる「桟敷席」(トレーラーハウス)から御神輿巡行を見学する予定だ。
御輿担ぎ手募集
現在、個人や企業単位での神輿の担ぎ手が募集されている。最も大きな8角は150人、「6角」は130人、「4角」は120人の担ぎ手が必要で、約2キロの市中を交代しながら練り歩く。
男性は、20日と27日の両日もしくは1日だけでの参加も可能。時間は、着替えも含めて午後6時から9時半ごろまでで、参加は無料。応募締め切りは7月12日(金)。申し込み・問い合わせは、山口祇園祭振興会(TEL083-920-0222)へ。
女性は27日のみで、午後3時半に集合し、巡行は9時半ごろまで。参加料は500円(御守木札と玉串料)で、定員は110人(先着)。締め切りは6月28日(金)。申し込み・問い合わせは、山口市商店街連合会(TEL083-902-0892)へ。