大内氏が宇佐八幡宮より勧進したと伝わる徳佐八幡宮。春ともなれば西日本随一と言われるシダレザクラが見事に咲き誇る。370メートルの参道の両側には104本の桜があり、そのうち77本がシダレザクラである。この桜は文政8年(1825)庄屋・椿正直らが大坂から苗木を取り寄せて植栽したのが始まりと伝わっており、昭和9年には天然記念物に指定された。参道入口に残る石標はそれを記念したものである。その後一旦枯死したが、地元民の懸命の努力で復活し「徳佐サクラ」として令和4年に再度指定されている。
山口でサクラと言えば、まず一の坂川を思い浮かべるが、シダレザクラならば徳佐の右に出るものはないと言えるだろう。
文・イラスト=古谷眞之助