アフリカの昔話絵本。
日照りの続く大平原で、おなかをすかせた動物たちが、一本の木を見つけました。
木には、マンゴーのようにあまい香りをはなち、メロンのように大きく、ザクロのようにみずみずしい実がたくさんなっています。
でも、木の幹には大きなヘビがまきついていて、この木の名前をあてないと実はやらないというのです。
木の名を知っているのは遠くに住むライオンだけ。そこでまずシマウマが、名前を聞きに出かけました。
シマウマはライオンから「ボジャビ」と木の名を教えてもらったのですが、途中で忘れてしまい、苦しまぎれに伝えた名前は「えーと…ボンガニ」―ヘビは動こうとしません。サルやゾウが行っても同じこと。
最後に出かけたカメは、忘れないよう「きみにも ボジャビ ぼくにも ボジャビ…」と歌いながらゆっくり帰ってきたので、ヘビは約束どおり木から離れてくれました。
南アフリカ出身の画家が描いたちょっととぼけた動物たちの表情によって、おはなしのおもしろさが一段と増して伝わってきます。
光村教育図書
再話:ダイアン・ホフマイアー
訳:さくま ゆみこ
絵:ピート・フロブラー
ぶどうの木代表 中村 佳恵