7月20日(土)から27日(土)まで、山口祇園祭が山口市中心部で開かれる。
今年1月に米紙ニューヨーク・タイムズの「2024年に行くべき52カ所」の3番目に山口市が登場した際、「小規模ながら600年の歴史がある」と紹介された、山口の夏を告げる風物詩だ。1459年(長禄3年)に大内氏28代・教弘が京都から伝えたといわれており、約570年間にわたり、地域の人たちによって続けられてきた。
山口祇園祭は、八坂神社(山口市上竪小路)の祭礼。「裸坊」による御神輿(おみこし)の巡行、山鉾(やまほこ)での祇園囃子(ばやし)の演奏、鷺(さぎ)の舞、御旅所(山口市駅通り1)での鷺替え行事(福引)、市民総踊りなど、さまざまな神事・行事が繰り広げられる。
祭りの前夜である7月19日(金)午後8時からは、御神霊を御神輿(8角、6角、4角の3基)に移す「前夜祭・御神輿遷霊祭」が開かれる。ちょうちんの炎だけがほのかにゆらめく暗がりの中、八坂神社の本殿から3基の御神輿に神様の御分霊を移す様子は、祇園祭の「あり方」を感じることのできる瞬間だ。
20日午後5時半からは、同神社で「浦安の舞」が奉納される。これは、紀元2600年奉祝祭のため1940年(昭和15年)に全国の神社に奉納された神楽舞で、扇の舞と鈴の舞とで構成されている。大殿小と白石小の5年女児4人が毎年交代で担当してきたが、今年は両校以外の5年女児にも対象を広げ、齋藤彩歌さん(山口大附属山口小)、土井里穂さん(同)、中川玲歩さん(牟礼小)、藤本陽菜さん(白石小)が応募。練習を重ねた優雅な舞を披露する。続いて、山口県指定無形民俗文化財「鷺の舞」奉納、御神幸(ごじんこう)式へと続く。
5月11日に米ニューヨーク・マンハッタンで開かれた「ジャパンパレード」に招かれ、現地で演奏を披露した山口祇園囃子は、菊水鉾(きくすいぼこ)と真車山(しんぐりやま)、2基の山車(だし)から音色を響かせる。7時前に、天狗(てんぐ)の大面などとともに、神輿の先導役として八坂神社を出発。笛(能管)・締太鼓・鉦(しょう)の3種の楽器で、「日和神楽」「立田」「月」の3曲を奏でる。
7時には、3基の"暴れ"神輿が御旅所を目指し出発。約2キロの市中を、白いサラシに白い半パン、白足袋姿の「男衆」が担ぎ、約2時間練り歩く。受け持ちは、8角(約700キロ)が大殿地区民を中心とした人たち約150人、6角(約650キロ)が白石地区民を中心とした人たち約130人、4角(約600キロ)が宮野地区民を中心とした人たち約120人だ。
商店街アーケードと駅通りの交わる「魔法の屋根」の下で、3基の神輿が同時に回される様子は見もの。また、その近くでは2基の山車による餅まきもある。早間田交差点近くには桟敷席(トレーラーハウス)が設けられ、山口市が募集した「大内文化体験ツアー」の参加者が見学。そして、御旅所到着(9時ごろ)後には、御旅所祭として再度、鷺の舞と浦安の舞が奉納される。
御中日祭の24日(水)には、市民総踊りが開催。昨年より6団体・266人多い31団体・1580人の市民が「大内の殿様」の曲に合わせて、中心商店街(中市・米屋町・道場門前・新町・駅通り)を、午後7時半から9時ごろまで(8時5分から20分は休憩時間)踊り歩く。また、御旅所では7時半ごろから祇園囃子が演奏。8時からは浦安の舞が奉納される。
最終日となる27日の御還幸には、「女神輿」も登場。午後6時半からの御旅所祭(浦安の舞奉納)に続き、法被姿の女性たちが4角を担ぎ、6角(白石担当)、8角(大殿担当)とともに出発。再度市中を練り歩き、9時ごろ八坂神社に帰還する。
神様に市中に鎮座してもらうことで、向暑時の疫病退散や、天変地異の災厄を払う願いが込められたこのお祭り。20日から27日までの毎日、御旅所に参拝する人は途切れず、夜には協賛企業による数多くのちょうちんがともされる。御旅所の前では鷺替え行事も実施される。
また、20日・24日・27日に車両通行止めとなる駅通り・新町には露店も多数出店。さらに、訪れた人たちに楽しんでもらおうと、中市・米屋町・道場門前の各商店街は「夜市」も実施する。
「市民総踊り」への参加団体・人数
- 萩山口信用金庫(85)
- 中国電力グループ(100)
- 西京銀行アイザワ証券(44)
- おおすみグループ「絆」(12)
- 山口県立大学(40)
- とっぱらっちゃい隊(20)
- 山口県庁チーム(54)
- NTT山口グループ(110)
- 山口銀行(42)
- モビリティライフグループ(42人)
- 青藍会グループ(100)
- 陸上自衛隊山口駐屯地(40)
- KDDI山口衛星通信所(18)
- 山口市役所(100)
- 白狐刑事ジコンナ(4)
- 山口商工会議所青年部(25)
- みんなで踊り隊(12)
- チーム白石中(56)
- 山口県赤十字血液センター(25)
- レノファ山口FC(40)
- 山口民踊ほたる会(12)
- みずほ銀行(20)
- 山口井筒屋(21)
- 青年海外協力隊山口県OB会(75)
- 西糸米子ども会(12)
- 山口大学(41)
- チーム白石小(90)
- 龍王子ども会(41)
- 東糸米子ども会(54)
- 大殿サッカースポーツ少年団(30)
- 山口大学教育学部附属学校園(215)
- ※青年海外協力隊以下は前半のみ参加