日本で初めてのクリスマスミサ(1552=天文21年)がここ山口で執り行われたとの史実を地域のブランド力向上やにぎわいにつなげようと、「日本のクリスマスは山口から」事業は1997年にスタートした。同実行委員会は「12月、山口市はクリスマス市になる。」と宣言もし、毎年同月にはイルミネーションなどさまざまな催しを展開。音楽評論家で作詞家の湯川れい子さんと作曲家の宮川彬良さんも関わる「山口きずな音楽祭」もその一つで、「大内義隆とフランシスコ・サビエルのような、寛容で『きずな』を大切にする志を、音楽を通じて次世代に伝えよう」と、2009年に「亀渕友香&VOJAクリスマスゴスペルライブ」として始まった。
男性ボーカルグループ「LE VELVETS(ル ヴェルヴェッツ)」は、2014年の第6回以降、コロナ禍の2020年を除いて毎年、「山口きずな音楽祭」のステージに立ち続けてきた。メンバーは、佐賀龍彦さん、佐藤隆紀さん、日野真一郎さん、宮原浩暢さんの4人で、全員が身長180センチ以上かつ音楽大卒の実力派だ。湯川れい子さんが命名したグループ名は、上質でなめらかな生地「Velvet」(ヴェルヴェット)に由来している。クラシックはもちろん、ロック、ポップス、ジャズ、果ては民謡に至るまで、さまざまなジャンルを自在に表現。舞台やミュージカルなど、それぞれがソロでも活躍中だ。
だが、佐賀さんが2021年9月に脳梗塞を発症。1年後にはステージ復帰を果たすも、本人の「プロとして求められる表現レベルに達していない」との苦悩と葛藤により、「完治」を目標とするリハビリに専念するため9月末での脱退が決まった。そのことを受け、同音楽祭を主催してきた「山口きずな音楽祭プロジェクト」(TEL083-929-3947)は、「山口市との『きずな』が生まれて以来、山口出身者は1人もいないのに、まるで故郷のように山口を大事にしてくれている彼ら。その節目を、特に学校訪問などにも積極的に取り組んでくれた佐賀さんの『卒業』を、山口の人たちで祝いたい」と考え打診したところ、9月までのスケジュールが詰まっている中、1日だけ日程が確保できた。LE VELVETSの活動が9月以降12月まで休止されることもあり、今年の「山口きずな音楽祭」は、初めて8月に開催されることになった。
2019年以降「10回目という節目を超え、これからの10年を、新しいステージにしていきたい」との思いを込めて「10+」回表記になっており、今回は「10+6」の16回目となる。日時は8月22日(木)午後6時半からで、会場は山口市民会館(山口市中央2)。
前売り券は、一般6000円、学生(小中高生)3000円で、山口市文化振興財団チケットインフォメーション(YCAM内、TEL083-920-6111)か、チケットぴあもしくはローソンチケットで購入できる。当日券は各500円高。託児サービス(有料)は、同インフォメーションへの申し込みが8月15日(木)までに必要だ。
また、当日彼らとともに「四季~花見鳥」「きずな」の2曲を歌う「クワイヤ」メンバーも募集されている。詳細はウェブサイト(https://www.kizunaxkizuna.com/)を参照のこと。