2024年8月21日の新聞に『詩人・新川和江さん死去』とあり驚いた。いろんな思いが巡りしばし瞑目。私にとって新川和江氏といえば吉原幸子氏と立ち上げた「現代詩ラ・メール」だ。この出会いは私の人生の一番の出来事。
【お誘い・菜っ葉も刻もう詩も書こう。子供も産もう空も飛ぼう。与えられた生を悔いなく十分に生きようと希う女性たちが、自己表現の手段として詩を選びとる時代です。それは、家というものが重たく女にのしかかった時代、男が女に隷属を強いていた時代、暗い台所で女性詩人がやむなく筆を折った時代から、新しい時代への転換といえましょう。「現代詩ラ・メール」は、女たちが自分の言葉で、自由に自分たちを表現する場。「現代詩ラ・メール」は、詩を目ざすあらゆる女性たちに開かれた、あなた自身の劇場。あなたも扉を開いてみませんか】。
私はすぐに会員になり、1983年の創刊号から1993年の終刊号まで投稿欄に拙い詩を送り続けた。取りあげて批評をいただいたのは4回しかない。が、それがどれほど励みになったことか。感謝しかない。
新川氏には柳井市の「山口県詩人大会」でお会いした。吉原氏には東京の自宅の詩の会に一度行きカップ酒を吞みながら深夜までお話を聞いた。お二人には後光が射していた。