「異彩のゆびさき アール・ブリュットin赤れんが」が、9月1日(日)まで、C・S赤れんが(山口市中河原町5)で開かれている。山口市と同館の主催。入場無料。
「アール・ブリュット」とは、直訳すると「生の芸術」を意味するフランス語。フランスの画家ジャン・デュビュッフェ(1901-1985)が同時代の芸術家や文化人らと交流を深める中で、既存の文化の影響を受けず独特の制作を行う精神障害者らによる作品に心を引かれ収集。彼は1940年代にそれらのコレクションをアール・ブリュットと名づけた。今では、精神科病院の中にいる精神障害者、知的な障害をもった人々、ひきこもりなど社会から隔絶されたところで生活している人、受刑者などによる作品を指す。
同展は、山口県内の障害福祉サービス事業所等に対して2019年から行われている「山口県・障害者文化芸術作品等調査・発掘事業」でピックアップされた作家の中から6人を招き企画された。出展者は、西村昌彦(1967年生まれ、周南市)、用殿卓哉(1969年生まれ、山口市)、山本心平(1976年生まれ、光市)、中村憲司(1980年生まれ、山口市)、秋田健作(1997年生まれ、下松市)、宮崎大樹(1999年生まれ、山口市)。会場には、彼らによる絵画や立体造形など約60点の作品が並ぶ。また、作品の制作過程を撮影した映像も流されている。
同展は8月21日に始まったが「時間をかけてゆっくり鑑賞する人や、何度も足を運ぶ人もいる。それだけ人の心をつかんで離さない展示内容だと、来場者の様子を見ていて感じる。どれも個性にあふれており、見ていて飽きない。本展が初公開の作品もあるので、ぜひ来場を」と、同館の山本有希館長は呼びかけている。