山口市唯一の国宝・瑠璃光寺五重塔(山口市香山町7)の保存修理工事が始まってから、約1年8カ月が経過した。工事は2026年3月末までの予定で、檜皮葺(ひわだぶき)屋根の全面葺き替えと木部修理作業、最新消防設備の設置がされる。
この事業にかかる費用は約7億6000万円。国宝の場合、拝観料を改修費用や整備費に充てるのが一般的だが、無料で入場できる都市公園・香山公園の中にある同五重塔は、建物の中に入れる構造でもなく、拝観料を徴収できない。そのため、国・県・山口市からの補助金では足りず、約6000万円の自己負担が必要だ。そこで、同寺総代会、山口観光コンベンション協会、山口商工会議所、山口七夕会の4団体は2022年に実行委員会を立ち上げ、改修費用をクラウドファンディング(CF)で募る「国宝瑠璃光寺五重塔『令和の大改修』CFプロジェクト」に取り組んでいる。
CFは、3期に分けて実施。2022年9月2日から11月30日までの第1期では、目標金額2000万円に対し、573件・631万6000円が寄せられた。そして、昨年8月1日から11月30日までの第2期では、同じく2000万円に対し、293件・601万円が寄せられた。第2期の寄付申込者を居住地別に見ると、山口市内が101件で最も多く、同市を除く山口県内が51件と、県内在住者が約半数を占めた。一方県外では、東京都(27件)、千葉県(14件)、広島県(同)、福岡県(同)、神奈川県(12件)、埼玉県(11件)、兵庫県(10件)などが多かった。
今回で最後となるCFの第3期は8月1日から11月30日(土)までが実施期間で、目標金額はこれまでと同じ2000万円。9月9日時点で、69件・97万1000円が寄せられている。寄付・支援は、読売新聞CF「アイデアマーケット」内特設サイト(https://ideamarket.yomiuri.co.jp/projects/rurikoji2024)で行う。寄付に対する返礼品は、御守(檜皮チップ入り)、数珠ブレスレット、手彫り阿弥陀如来像坐像(ざぞう)、大内義弘公手ぬぐいなど8種類がある。受付金額は、3000円から100万円まで。
プロジェクト事務局の山口観光コンベンション協会は、「山口市の宝でもある瑠璃光寺五重塔を未来につなげていくためにも、市民の皆様にご理解いただき、積極的なご支援・ご協力をいただけたら」と呼びかけている。問い合わせは、同協会(TEL083-933-0088)へ。