山口湾近くの丸塚山丘陵地帯に立地している丸塚古墳群。阿知須地域の古代の歴史を、今に伝える。
丸塚古墳群は現在までに7基が発見されており、1977年に5基が旧阿知須町文化財(現山口市史跡)として指定を受けた。
横穴式石室を持つ円墳で、遺体を埋葬する玄室の他に前室など複数の部屋で構成。発掘調査当時の資料には、玄室の排水を目的に掘られたとみられる溝の存在も報告されている。
遺物は、須恵器、土師器、馬具の一部の鉄片などが出土しており、高坏や蓋形土器、甕形土器に復元。築かれた時期は6世紀後半で製塩を行っていた一族の長の古墳ではないかと推定されている。