毎年9月24日から30日までは「結核予防週間」で、結核予防に関する普及啓発などが行われてきた。だが、厚生労働省は、2024年から同期間を「結核・呼吸器感染症予防週間」とすることを決定。新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなど、対象を結核も含まれる呼吸器感染症に拡大。呼吸器感染症が例年流行する秋冬前に、マスク着用を含む咳エチケットや手洗い、換気等の基本的感染対策や予防接種の重要性などを、広く啓発する。
呼吸器感染症とは
結核、新型コロナウイルス感染症、季節性インフルエンザ、RSウイルス感染症などがある。くしゃみや咳から菌が飛び散ることで、病原体を含む飛沫を吸い込み、感染する。ワクチン接種で発病や重症化を防ぐことが期待できるものもある。
結核とは
結核とは、結核菌により、肺などに炎症が起こる病気だ。空気感染で広がるが、初期症状は咳、微熱、倦怠感など風邪と似ているため、気づかないうちに進行してしまうことがある。
かつては、「国民病」とも言われた結核だったが、1年間の結核り患率(人口10万当たりの患者数)は年々減少。2023年1年間の結核り患率は8.1と、前年比0.1ポイントの減少で、世界保健機関(WHO)が定める「結核低まん延国」の水準を継続した。
2023年の新登録結核患者数は、全国が1万96人(前年比139人減)、山口県内は114人(前年比2人減)だった(表参照)。山口県のり患率は8.8と、全国より0.7ポイント上回っており、都道府県別では10番目に高いり患率となっている。
近年の傾向として「患者の高齢化」がある。かつて結核がまん延していた時代に既に感染していた人が、高齢化による免疫力低下に伴い再発症してしまう例も多くみられる。実際、新登録結核患者の約75%を70代以上が占めている。
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結核予防会(尾身茂理事長)は、全国各地で街頭募金や無料結核検診、健康相談等を実施して、結核予防の大切さを伝えている。
感染予防には、ウイルスから体を守ろうと抵抗する免疫力が重要だ。バランスのよい食生活、十分な睡眠休養、適度な運動、禁煙などが免疫力を高め、発症予防につながる。
さらに、年に1回程度定期的に胸部エックス線検査を受けることが大切だ。結核は、高齢になるほど咳やタンなどの症状が出にくくなる。受診や診断の遅れは、重症化や集団感染を招き、個人の生活や社会にも大きな影響を及ぼす恐れもある。タンのからむ咳や微熱・身体のだるさが2週間以上続く、体重の減少といった症状が見られる時は、下記に掲載の医療機関などを早めに受診しよう。
※電話番号のクリックで、各医院、施設に電話をかけることができます。