朝、新聞を読む。大きく広げて太目の活字の題目を追う。心楽しい記事は少ない。美談はないか? 建設的な話題はないか? 笑えるものはないか? 人情の機微に触れる記事は? 辛抱強く生き抜いた市井の人の記録はないか? 今日一日の活力にそんな記事を探して読む。悲惨な記事は避ける。
【夕方歩道を裸足で歩く幼児を中学生が不審に思い、優しく声をかけ交番に連れて行き救う。捜索願が出ていた幼児だった】。親御さんの安堵の声が聞こえる。どんなにか心配されたことだろう。勇気を出して声をかけた中学生に拍手。なかなか声はかけづらいものだ。
スーパーで泣きながら「ママ、ママ」と叫び走り回っている子を見ることがある。子供の後を目で追っていると、どこからかママが出てきて、子供の手を握る。ひと安心。
携帯電話を片手にATMを操作していた高齢者に声をかけ振り込め詐欺を未然に防いだコンビニの店員さん。高齢者の大切な生活費を奪われなくて良かった。
“私たちは全世界を救えない。ただ一隅を照らすのみである”。故中村哲氏の言葉。
身近で一隅を照らす親切は行われている。そんな記事に照らされ、私の身体がポッと温かくなり活力が湧く。今日は良い日だ。