1954年の結成から今年70周年を迎えた山口鷺流狂言保存会の会長を務める。2023年4月に3代目会長に就任し、「一ファンからのスタートで、重責を感じつつも、伝統芸能の継承において役に立てるのであれば」と、会の振興を見守る。
約35年前、故・樹下明紀前会長に誘われて公演を初めて鑑賞。その面白さに魅せられ、定期公演などに通うようになった。特に「二人袴」や「墨塗り」などの演目は、「笑いの発想に感心し、この発想を仕事にも生かせないか考えたほど」という。
同保存会は、2024年3月に「国立劇場おきなわ」の開場20周年記念公演にも招待され、県外でも知名度を上げている。
10月27日(日)には野田神社能楽堂(山口市天花)で70周年記念公演が開かれる。「長い伝統を受け継いだ芸能を生で鑑賞して、大いに笑ってほしい」と来場を呼びかける。
【プロフィル】1944年11月、鳥取県生まれ。広島大工学部卒。2005年まで県産業技術センターで日本酒や酵母について研究し、山口県産日本酒の品質向上と新商品開発支援に携わった。退職後は「やまぐち発酵文化研究所」を立ち上げ、代表を務める。