亀山八幡宮は平安時代の万寿3年(1026)に宇佐八幡宮より勧進されたと言われており、津和野城主・吉見氏によって再興された。以前触れた津和野城主・吉見隆頼の供養塔といい、国境近くになると勢力範囲の明確な区別が無くなるようで、近隣の恵長寺もその吉見氏によって再興されている。
入口の石段の両脇には何とも立派な杉がどっしりとそびえている。境内左手には神楽舞台と思われる建物も見えた。神楽の盛んな島根県はすぐそこだから、これも頷ける。また神殿の右手には海亀の甲羅が奉納されており、一年に6回、6年続けて撫でると心も体も強くなれるとあった。背後の小高い山には亀山八幡城があったとのことである。
文・イラスト=古谷眞之助