「山口でなかなか上映される機会のない良質な単館系新作映画を、自分たちの手で上映・観賞する」ことを目的に活動している「西京シネクラブ」(大久保雅子代表)は、「季節のはざまで」(1992年、スイス・ドイツ・フランス)を12月7日(土)に上映する。今年3月に公開されたデジタルリマスター版で、会場は山口市民会館小ホール(山口市中央2)。上映時間は、午前10時半、午後2時、7時からの3回。
「ラ・パロマ」「デ ジャ ヴュ」「ヘカテ」など、その優美な映像と唯一無二の虚構世界によって熱狂的なファンを生み、日本におけるミニシアターブームの火付け役にもなったスイスの映画監督、ダニエル・シュミットの作品。祖父母がホテルを経営していた彼自身の少年時代の記憶を基に脚本は執筆された。1992年のロカルノ映画祭のオープニングを飾り、上映後は満席の観客から拍手が鳴りやまなかったという、シュミット作品の中でも最も愛される傑作のひとつだ。
舞台はスイスの山中に建つ古いホテル。ここの持ち主だった祖父母に育てられたヴァランタン(サミー・フレイ)が、ホテルが取り壊されると聞いて記憶をたよりにやってくる。今は無人と化したホテルの中を歩きながら、彼は少年時代の懐かしい記憶の数々を思う。あこがれの“世界一の美女”や女性歌手とピアノ弾き、魔術師、思い出話がいつも面白かった祖母。少年ヴァランタン(カルロス・デベーザ)にとって大人たちの世界は素晴らしく魅力的なものだった。過去と現在が交錯するホテルで、シュミットがつむぎ出す夢幻的な舞台がいま始まる…。
チケットは、当日会場で販売。料金は、一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。電話予約(TEL083-928-2688)すれば、一般料金のみ1500円に割り引きされる。
12月14日にはドキュメンタリー2作品を上映
なお同会は、12月14日(土)にもドキュメンタリー映画2作品を同会場で上映する。
「骨を掘る男」(2024年、日本・フランス)は、午前10時半からと午後4時半から。「私は憎まない」(2024年、カナダ・フランス)は、午後1時半と7時から。