昨年のことになりますが、十月中旬、北九州美術館「開館五十周年・大コレクション展」に行きました。行くまで、ずいぶん迷いました。億劫で腰が上がらないのです。我が家から北九州美術館に行くには、まず循環バスに乗って山口駅へ。山口線で新山口駅へ、新幹線で小倉まで行き、そしてバス。
自動販売の切符がスムーズに買えるかな? 難聴の耳も気になる。考えると腰が引ける。でも、見たい。意を決して、靴紐をきつく結んで出発。小倉からのバスの中は中高年の女性ばかり。二十人くらい美術館で降りた。皆さん、ファッショナブルで、足取りも軽い。その後に続いた。
再会の作品もあり懐かしかった。が、初対面の作品も多く、長く見ていると疲れた。途中で館内のカフェで昼食。力を満たし会場に戻った。
デイヴィッド・ホックニーのリトグラフに釘付けになった。明るい青の淡彩と暗い青の淡彩でできた水のリトグラフ一枚、と線でできた水のリトグラフ一枚。なんだこの不思議な感覚。画面の水が動いている。目が離せない。作家の名をメモして帰宅して調べた。なんと超有名な画家だったのだ。知らなかった。
ホックニーを追おう。推し活だ。執着するものができた。出かけた収穫は大きかった。さあ、出かけよう。