日本司法書士会連合会と山口県司法書士会(渡邉一正会長)では、2月を「相続登記はお済みですか」月間と定めている。相続登記をはじめ、遺言の書き方、遺産分割協議など、相続に関する相談に、司法書士が無料で応じてくれる。
相続登記とは
亡くなった人から相続した土地や建物の名義を変更することを「相続登記」という。名義を変更せずそのままにしておくと、いざ不動産を売却する時や、担保に入れて融資を受けようとする場合などに、手続きがスムーズに進まなくなる恐れがある。
また、放置している間に相続人が死亡してしまうと新たな相続が発生してしまう。その結果、過去にさかのぼって相続人を特定する必要が出てくるなど、手続きの複雑化、費やす時間や費用の増加といった、色々なトラブルの原因にもなるので、注意が必要だ。
相続登記の申請義務化
これまで相続登記は任意とされていたが、近年、相続登記がされていないため、所有者がわからないというケースも増えてきた。そのため、森林整備や災害時の復旧・復興事業などがスムーズに進まなかったり、土地が管理されないため隣接地へ悪影響が出たりと、さまざまな問題が生じている。
このような「所有者不明土地」問題に対処するため、法改正によって2024年4月1日から相続登記の申請が義務化された。法改正の大きなポイントは「相続登記の申請義務化」「住所等の変更登記の申請義務化」などで、過去に発生した相続も、義務化から3年以内に登記する必要があり、正当な理由がなく申請しなかった場合には、10万円以下の過料が科されることになる。
なお、相続登記を行う際に発生する「登録免許税」は、一定の条件を満たせば免税措置を受けることができる。期限は2025年3月31日までだ。
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山口県司法書士会では2月28日(金)まで、同会に所属する司法書士がそれぞれの事務所での無料相談(30分程度、土・日・祝は除く)を実施する。遺言の書き方や遺産分割の方法など、相続に関する困りごとの相談が可能で、適切なアドバイスをもらうことができる。希望者は、下記の司法書士事務所など、相談を希望する司法書士に事前に連絡のうえ、相談日時を決める。各司法書士の連絡先は、同会のウェブサイト(https://www.ymg-sihousyosi.or.jp/)でも検索できる。
「手続きは個々の案件で千差万別なので、『くらしの法律家』である身近な司法書士にご相談を」と同会。