雪の舞う中、いつも乗るバス停で待っていたら、幼稚園バスを待つ親子と一緒になった。暖かそうなコートを着た女の子が「ママ、この木枯れてかわいそうね」と言った。女の子の指さす先には、雪をのせた麦わら色した十五センチばかりのランタナがあった。
このランタナは、バス停横に五月頃から咲き出して秋の終わり頃に黒い実をつけて枯れて行く。数年前にはほんの一角にぽつんと咲いていたのに繁殖力が強く今では、バス停のベンチを脅かす。ランタナの花は、小さい花が集まって一つの丸い手毬のような花を咲かす。色もピンクから黄、紫等が一つの花にあり可愛い。私は、実を取って庭に植えた。繁殖力が強く七年経った今では強い木のような茎と棘に往生している。花も可愛く思えなくなった。勢いのない冬の間に取り除こうと掘り起こしたりしたが、その効果もなくその季節になるとあっという間にぐんぐん伸び広がり鋭く棘をとがらす。調べてみると「実には毒があり、はびこるので植えてはいけない」とあった。
可愛い幼稚園のお嬢さん。ランタナは枯れたように見えても、土の下では元気に春に咲く準備をしているのです。ランタナは強力なんです。ランタナは無敵です。優しいお嬢さん、いってらっしゃい。