山口市の2025年度一般会計当初予算案の総額は969億円(前年度比11.3%減)で、初めて1000億円を超えた前年度に継いで過去2番目の規模となった。旧1市4町による合併・新市発足から20年を迎えることから「新市のまちづくりの総仕上げの局面」と位置づけた積極型の編成で、「ともに築く 元気山口予算」がテーマとして掲げられている。予算案は、2月17日から3月14日(金)までが会期の山口市議会に諮られている。
〔歳入〕
「市税」は、前年度当初比4.2%(11億6000万円)増の287億6000万円。個人市民税が定額減税の終了などで9億7000万円、固定資産税も新築家屋の増加などにより2億9000万円の増額が見込まれている。国からの「地方交付税」は、0.2%(4000万円)増の179億円の見込み。基金などからの「繰入金」は31.2%(22億1000万円)減の48億7000万円で、市の借金に当たる「市債」は新本庁舎整備事業の減額などで53.3%(107億9000万円)減の94億7000万円と見込まれている。
〔歳出〕
「人件費」は、退職者の減少によって退職手当が3億1000万円減少するものの、給与が改定に伴い増加するため、2.4%(3億9000万円)増の168億3000万円に。また、児童手当や障害福祉サービスの拡充により、「扶助費」は8.2%(16億9000万円)増の223億8000万円と見込まれる。そして、新本庁舎整備と湯田温泉パークの事業の進展に伴い「投資的経費」は、50.2%(145億6000万円)減の144億6000万円と見込まれている。新規事業は24件。
〔主な事業〕
[防災・減災対策の加速化]「雨水管理総合計画」の策定(8000万円)▽小郡八方原地区における排水ポンプ設備導入(1億5320万円)▽「潮寿荘」の避難所機能の強化(1190万円)▽衛星通信網「スターリンク」導入(570万円)▽中央消防署建て替え整備に向けた取り組み(2億0240万円)
[子ども・子育て全力応援のまちづくり]高校生世代までの医療費無料化(13億6820万円)▽第2子以降の保育料無償化(2億8925万円)▽1歳児健診の公費負担化(774万円)▽公費負担による5歳児健康診査(1108万円)
[若者活躍と雇用創出の環境づくり]大学生・若者等の地元就職の促進(3360万円)▽企業等の重点的な人材確保支援(1200万円)▽事業承継支援事業(400万円)▽小規模農家等が実施する農業用水路等整備支援制度創設(300万円)▽道の駅「仁保の郷」の機能強化整備(9億2271万円)▽道の駅「あいお」の移転整備(1億5688万円)
[人生100年時代の元気活躍のまちづくり]徳地地域における医療提供体制の確保(3214万円)▽グループタクシー利用促進事業(450万円)
[21地域づくりと農山村活性化]地域の個性を活かす交付金事業(1億9854万円)▽自治会等支援事業(1億0544万円)▽平川地域交流センター建て替え整備(10億5345万円)▽大内地域交流センター建て替え整備(30万円)▽重源の郷体験交流公園のリニューアルオープン(4019万円)▽「周防鋳銭司」設置1200年記念事業(3602万円)
[元気な県都づくり]湯田温泉こんこんパーク供用開始(2億2716万円)▽2026年山口デスティネーションキャンペーンに向けた機運醸成(1150万円)▽山口市誕生20周年記念式典(800万円)▽菜香亭の歴史・文化を生かした周遊促進(300万円)▽武道館の整備推進(3500万円)▽新本庁舎の整備(16億2804万円)▽新山口駅周辺における出店補助制度の創設(300万円)▽新山口駅周辺駐車場基礎調査の実施(1500万円)▽国道9号道路改築(宮野上~阿東篠目)の早期事業化・国道2号(鋳銭司~防府市台道)の(4車線化・歩道設置)整備促進(4068万円)▽県農業試験場等の跡地利活用の検討(1750万円)
[持続可能な未来都市づくり]デジタル行政推進事業(9287万円)▽地域脱炭素推進事業(8826万円)