一里塚は、江戸時代に一里(約4㎞)ごとに建てられた、街道の区間距離を示す施設です。街道のすぐ側に建てられ、旅人たちの移動の目安となる重要な施設でした。一里塚は一般的に、石や土で半球形に盛った塚上に榎や松が植えられていましたが、防長では頂上に基点の地名と里程を記した四角柱の塚木が立てられていました。
写真の一里塚(山口市吉敷赤田)は、令和5年に吉敷地域文化振興協議会が史跡や歴史資料などを参考にして復元設置されたものです。山口市道場門前と下関市豊北町肥中を結ぶ肥中街道沿いにあり、道場門前から最初の一里塚になります。市街地ですので、散歩の折りにでもお気軽に立ち寄ってみてください。
山口博物館では県下各地の旧街道動画を紹介しており、いろいろな一里塚の様子もご覧いただけます。詳しくは山口博物館ウェブサイト内の「映像で見る防長の街道」をご覧ください。
山口県立山口博物館 歴史担当学芸員 山田 稔