山口大経済学部の加藤真也准教授研究室はこのほど、2024年1月に山口市が米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)における「2024年に行くべき52カ所」の3番目に紹介されたことによる県内全体への経済効果を、総額54億円と推計した。
昨年5月には、同様にNYTに選出された盛岡市におけるデータなどから約89.9億円と推計していたが、約4割の減少となった。再推計するに当たり、2月にアンケート調査を観光客248人に対して実施。さらに2023年1・2月に宿泊者・日帰り客が急増した特殊要因(JR西日本サイコロきっぷの目的地の一つが湯田温泉駅)、映画「キングダム」のきらら博記念公園での撮影(2024年7~11月)による宿泊者・観光客増、瑠璃光寺五重塔の改修工事(2023年2月~)、ホテルニュータナカの閉館(2024年2月)などを考慮して、再度算定した。
その結果、日本人日帰り客による効果が25億9100万円、日本人宿泊者が24億3800万円、訪日外国人客が3億7000万円だったとした。また、NYT掲載による県内特産品への経済効果は、12億4600万円と推計。その内訳は、「ふく」が5億0800万円、「外郎」が3億円、「地酒」が2億2700万円、「瓦そば」が2億0100万円、「夏みかん」が1000万円だった。
同研究室では、「特産品により特化したPR」「平日における観光客誘致」「日本訪問経験のある外国人への重点的なPR」をすることで、さらなる経済効果が見込めると提言している。
スリッパ卓球大会の効果も
さらに同研究室は、3月1日に開かれた第10回湯田温泉スリッパ卓球大会(同実行委主催、サンデー山口など共催)の会場でも、参加者アンケートを実施。197人から回答を得た。同大会のもたらす経済効果について、大会自体の収支面も考慮した上で今後推計するという。
第10回湯田温泉スリッパ卓球大会