山口商工会議所の第186回通常議員総会が、3月24日に湯田温泉のユウベルホテル松政で開かれた。議員140人中140人が出席(内90人は委任状)し、2025年度の事業計画・収支予算について審議された。
全国的に、賃金上昇が物価上昇を上回り、企業の設備投資も堅調な動きが継続。しかしながら、大企業・中堅企業と地域の中小企業・小規模事業者との格差が懸念されており、後者においては長引く物価高や人材不足等に苦慮しながら、約6割が収益の改善が見られない中での「防衛的な賃上げ」を迫られており、厳しい経営環境となっている。
基本方針には、そのことを踏まえ「引き続き、市内事業者の経営実態の把握を軸足とし、ニーズに沿った経済対策を行政に要望するなど、持続的な成長に向けた中小企業・小規模事業者支援に努めていく。とりわけ、デジタル化、省力化、人材育成、防災・減災などの事業継続リスクへの事前対策や、従業員定着に向けた労働環境整備による生産性向上や経営の見直しへの伴走支援に取り組む。また、交流人口を増やすために、郷土の歴史に基づく『風水』を活用した回遊促進をはじめ、歴史文化遺産の活用による市民のシビックプライドの醸成に取り組む。そして、2021年度に策定した山口・小郡両都市核の『未来都市構想』の具現化につながる、持続可能な地域社会の形成に向けた『(仮)やまぐち魅力向上プラン』を策定し、政策提言を行う」との内容が盛り込まれた。
予算規模は、一般会計が約3億7209万円で、共済事業等特別会計などを含めた合計額は約7億0189万円。全会一致で承認された。
さらに、木村靖さんから筒井淳夫さん(山口井筒屋代表取締役社長)、古海尚文さんから中尾和司さん(アクサ生命保険山口支社長)、藤井公さん(MIHORI代表取締役会長)から藤井一正さん(同社長)への常議員の交代と、藤塚邦洋さんから橋谷昌之さん(三井住友海上火災保険山口支社長)への監事の交代も認められた。
総会後には、伊藤和貴山口市長らの来賓を交えて、懇親会も開かれた。