普段は車で行くところをその日はバスで市民館まで出掛けました。市バスは思ったより乗客があり、私の貸し切り状態ではないわね~と。ある停留所で運転手さんが慌てて飛び降りたと思ったら、後方から『ガッキーン』と大きな音が!! ビックリして振り向くとバス中ほどにすでに男性の座った車いすが置かれてあり、運転手さんがかがみこんで足元のベルトをセットしているところでした。素早く固定して、もうひとつ固定して完成。急いで運転席に戻り何事もなかったように「お待たせ致しました~。発車します」。
車いすは一人でバスに乗れるんだ!! とちょっとした衝撃でした。
いくつ目かでバスが停車した時、また運転手さんが前ドアから飛び降りて、慣れた手つきでバスの座席を元通りに起こしています。あまりに早い対応だったので、スロープ板を下したのか、どのように車いすを外に運んだのかは見ることが出来ていません。
外に降りた車いす男性は自在に大きく旋回しながら有難うという風に運転席を見上げ、そして迂回(うかい)して颯爽(さっそう)と走って行きました。
下車の時、運転手さんに「手際がいいですね」と云うととても小さな声で「お待たせして申し訳ありません」って。
後日ニュースの折に路線バスでの車いす固定装置の使い方研修というのを目にしました。普段、車で移動していると全く知ることのなかった車いすの移動の話。
なんだか運転手さんも車いす男性もカッコ良く見えたお得な一日でした。
投稿者:なかとう葵さん