文化芸術団体のネットワークづくりや、優れた古今の作品に光を当てることなどによって「市民の郷土への誇りを高めよう」と活動する「明日を紡ぐ大地の会」(福島光子代表、TEL083-921-2476)は、6月23日(日)午後1時半から「第6回女流芸術家発表交流会」を、ニューメディアプラザ山口(山口市熊野町1)で開催する。
主催の明日を紡ぐ大地の会は、朗読劇「峠三吉『原爆詩集』抄」を上演する。峠三吉は1945年8月6日の朝、爆心地から3キロほど離れた宇品の自宅で、広島市の中心部に向かって外出する直前に被爆。その後に体験・見聞した生々しい実相を、克明に日記に記録していった。そして終戦から5年もたたないうちに発生した朝鮮戦争で3発目の原爆が落とされるかもしれないとの危機が迫る中、1951年に「原爆詩集」を発行した。「ちちをかえせ ははをかえせ」で始まる「序」で知られるこの詩集を、広島市立中央図書館は「峠三吉の戦争や原爆に対する激しい抗議と平和への決意が凝縮され詩作品としての到達点まで高められていると評価されている」と説明している。劇では、彼の詩を通した原爆の恐ろしさを伝え、そのことが忘れられてしまっている現状に警鐘を鳴らす。
そのほかには、シンガーソングライターの松浦香織さんと、日本舞踊「花柳流むつみ会」が出演する。入場料は、一般1000円、大学生500円、高校生以下無料。