毎年9月は厚生労働省が定める「健康増進普及月間」で、2024年度の統一標語は「1に運動 2に食事 しっかり禁煙 良い睡眠~健康寿命の延伸」。重点テーマを「睡眠」と定め、「みんなで健康寿命をのばそう」をスローガンに、全国的に様々な啓発活動が展開される。
がん、循環器疾患、糖尿病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの生活習慣病は、医療費の約3割、死亡者数の約6割を占めている。急速に進む高齢化を背景として、生活習慣の改善と発病を防ぐ一次予防は、健康を守るために重要だ。
生活習慣病とは、「健康的と言えない生活習慣」が関係している病気のことを指す。食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群のことで、例えば以下のような疾患が含まれる。
食習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高尿酸血症、循環器病(先天性のものを除く)、大腸がん(家族性のものを除く)、歯周病等
運動習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症(家族性のものを除く)、高血圧症等
喫煙:肺扁平上皮がん、循環器病(先天性のものを除く)、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病等
飲酒:アルコール性肝疾患等。
進む若年化
生活習慣病はかつて「成人病」と言われていたが、発症年齢が近年低下し、10~20代の若者にもその兆候が見られるようになっている。運動不足、過度の食事、生活習慣の乱れなどが主原因で、初期段階では自覚症状がほとんど現れず、気づけば病気が進行し、深刻な病気を引き起こすこともある。
健康寿命の延伸を
厚生労働省は「健康寿命をのばそう」をスローガンに、運動、食生活、禁煙、健診・検診の受診といった具体的なアクションの呼びかけを行っている。健康寿命を延ばすためにも、運動、食事など「自分の健康を自分で守る」ことを意識したい。
まずは、運動する習慣を付けよう。掃除や洗濯などの家事、農作業、徒歩での通勤・通学、階段を歩くなど、簡単なものでも立派な運動になる。フィットネスジムなどでは、自分の身体能力にあったプログラムを組んでもらうことも可能だ。
次に、食生活を見直してみよう。エネルギー過多やコレステロールの過剰摂取、ビタミン・ミネラル不足、塩分の過剰摂取、アルコールの飲み過ぎ、偏った食事などは、内臓脂肪蓄積の原因となる。主食・主菜・副菜を組み合わせた栄養バランスとともに、1日3食を規則正しく食べる、食べる量は腹八分目にする、夕食は就寝の2~3時間前には済ませるなどに努めよう。
さらに、禁煙も重要な予防策だ。喫煙は動脈硬化や高血圧を招く恐れがあり、吸う本人はもちろん、周囲の人にも副流煙として悪影響を及ぼす。禁煙期間が長くなるほど、発病のリスクは下がる。
そして、定期的に健康診断を受けよう。健康寿命の延伸には、健康増進や発病を予防する「一次予防」が重要となる。健診を受けることで、自身の血糖値や血圧などの推移をまず把握。その変化に応じて、生活習慣を見直していくことが必要だ。
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「健康増進普及月間」の9月、生活習慣病への認識を今一度深めるとともに、病気リスクの早期発見や治療の前段階ともいえる生活習慣の見直しを。
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