文部科学省によると、小・中学校における不登校の児童・生徒数は2013年以降5年連続で増加し、2017年度調査では小・中合計で14万4,031人となった。同年2月には「教育機会確保法」(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)が施行され、多様な学び場の確保や状況に応じた支援の組織的・継続的な実施が重要視され始めている。しかしながら、今年7月に公表された同法律の「施行状況に関する議論の取りまとめ」によれば、機運は高まっているものの、設置状況や取り組みはまだ不十分といえる。
また、不登校の子どもに対する誤った認識や偏見に、当事者や保護者が罪悪感を抱くケースも少なくない。そうした不登校についての正しい認識と対応を考える二つの催しが、周南市と山口市で開かれる。主催はフリースクール「ハッピーエデュケーション」(村上忍代表、https://happy-education.amebaownd.com/)。
まず、9月7日(土)に講演会「不登校の子どもとの向き合い方」が周南市学び交流プラザ(山口県周南市中央町4-10)で午後1時半から開催される。はじめに「不登校をギフトに変える」をテーマに掲げる「イクミナル」の加藤佳子代表が「今そしてこれからの親子関係と学び環境」のテーマで話す。続いて2時5分から、星槎大大学院教育実践研究科の岩澤一美准教授による講演「知ってる人も知らない人も『不登校の子どもとの向き合い方』」がある。4時15分からは加藤代表と村上代表が「当事者の抱える課題と現状について」と題してトークセッション。また、別室で岩澤准教授の個別相談(30分3,000円)も実施される。
翌8日(日)には加藤代表と岩澤准教授が講師を務める「不登校の子どもを持つ親の勉強会」が県母子父子福祉センター(山口市富田原町4-58)で午後1時半から開かれる。不登校についての専門知識を持つ講師と、支援活動にも携わる“先輩お母さん”から、不登校の子どもへの正しい対応の仕方や対処方法を学ぶことができる。
いずれも入場無料だが、各前日までに申し込みが必要。村上代表は「子どもたちは、学びたくないから不登校なのではなく、困っている。私たち大人、親が学ぶことで、みんなが困らない社会を目指したい。少しでも子どもたちのご家族の笑顔が増えれば」と参加を呼び掛けている。
問い合わせ、申し込みは村上代表(TEL090-4579-1368)へ。
ハッピーエデュケーションでは、毎週月曜に山口市で、毎週木曜に周南市で「フリースペース」を設ける「ハピエデュDAY」を開催。初回月は参加無料で、2回目からは保護者だけでの参加もできる。時間はいずれも午前10時から午後4時まで。