萩往還とは、江戸時代初期に参勤交代用に整備された街道で、お城のある日本海に面した萩と瀬戸内海に面した三田尻(防府)をほぼ一直線に結び、その全長は約53キロに及ぶ。今なお往時を偲ぶ石畳や一里塚が残り、整備もしっかりされているので春秋には気持ちの良いウオーキングを楽しむことができる。筆者はその萩往還のガイドをして十年近く、これまでのガイド回数も百回を超えた。その経験を基に今回から萩往還の見所をイラストと文章でご紹介したい。
萩往還の起点は、実は萩城ではなく、萩の街の中心にあった唐樋札場。ここは萩往還、赤間が関街道、石州街道が交わる交通の要衝で、御触書などが掲げられた高札場でもあった。
文・イラスト=古谷 眞之助