萩往還を歩いて最初に出会う一里塚(萩藩では一里山とも言った)は、「道の駅萩往還」近くにある悴坂一里塚である。積み上げた玄武岩の上に土を盛った塚の中央に、かつては高さ一間、五寸角の塚木が建てられ、唐樋札場からと三田尻までの路程が記されていた。現在のものは石製で、昭和14年に萩市が建てた。
ところで、萩往還は一般的に十二里、約53キロメートルと言われているので尺貫法とメートル法の換算が合わないと思われる方も多いだろう。実は萩藩では検地の際に一間を六尺ではなく六尺五寸(197センチメートル)としていた。そのため一里(2160間)は約4.3キロメートルになり、ほぼ辻褄は合うのである。
文・イラスト=古谷 眞之助