一九三一年にフランスで刊行された傑作絵本の一つ。
子ぞうのババールは森の中で仲間と平和に暮らしていました。ところがある日、猟人がやってきてかあさんを撃ち、ババールもねらわれます。
必死で逃げ、たどり着いたのは大きな町。そこで、ぞうの気持ちは何でもわかる大金持ちのおばあさんに出会い、一緒に暮らすことになりました。
まずは高級デパートで洋服を買い、記念撮影。車で郊外を散策したり、大学の先生に勉強を教わったり、サロンでの談話に加わったりなど、人間世界の楽しさを満喫。でもそのうちにふるさとが恋しくなり、ぞうの国へ戻ることにしました。
文化と教養を身につけて帰ってきたババールは新しい王さまに選ばれ、いとこのセレストとの結婚も決まり、めでたし、めでたし。
この本は二匹が気球で新婚旅行に出かけるところで終わっていますが、続巻には旅行中の災難が描かれ、さらに、王としての活躍ぶりややんちゃな息子たちに手を焼く様子…など、ババール一代記は続いていきます。
(ぶどうの木代表・中村佳恵)
評論社
作:ジャン・ド・ブリュノフ
訳:やがわすみこ